金持ち彼女のお母さんに会う貧乏彼氏 後半

日常

前回、凜々が服を買いたいと言い俺と凜々と凜々のお母さんの3人でショッピングに来た。



凜々の服も無事に買え、今度はお義母さんが雑貨屋さんを見たいと希望があり俺と凜々は付き合うことにした。

「ここ!ここ!ここのお店に行きたかったんよー」

お義母さんが指さしているのは『不思議の国のアリス』をモチーフに作られた雑貨屋さんだ。

外見から周りのは違う雰囲気を出している。

店員さんも青いドレスを着たアリスのコスプレ?の格好をして店内は赤く少し暗い。

お義母さんは、これええやん!あれええやん!と言いながら商品を手に取り棚に戻す動作を繰り返している。

俺は天井に吊るされているチェシャ猫の頭部を見ながら、ニコニコしてるなーとか思ってた。

お義母さんはアリスが描かれたお菓子を買い「次行くで!」と張り切っている。



次は百貨店の10階ぐらいの所に、オリジナルの商品を作って販売しているところがあり、そこでいろんなものを見た。

皿や絵や服や骨董品や文具やカバンなどなど

猫が2匹並んでじゃれあっているカバンをみつけ、お義母さんは買うか買わないか悩んでいた。

もう大きい猫のカバン持ってるじゃんとか思いながら見てたら

「お母さん、それ欲しいなら買ってあげようか?」

凜々が俺には言わないセリフを言う。

「これなー、通勤に使えたらええなーって思ってんけど・・・・・・思ってたよりポケットの数が少ないから通勤には使えそうにないんよなー」

と、さんざん吟味して買わなかった。



通りにまたブランドショップがあり、凜々とお義母さんが入っていくので俺もついていく。

2人が楽しむ姿を金魚のフンのようについていくのに飽き飽きした時おれは思いついたんだ。

この店のビジネスプランを盗むことが出来たら、俺って金持ちになれるんじゃないか?

まずは店内を見渡す。

ここのブランド名はあまり聞いたことがない。海外のブランドか?

そして天井が高く圧迫感のない店内、回転率よりも居心地の良さを追求しているのかも知れない

コートやスカートまであるが、靴や財布まで売っている。

ブランドファンのために全身コーデできるようにアイテムを充実させているのかもしれない。

以前の俺ならここで終わっている。

だけど今の俺は、ここまでの仮設を確認すべく店員に声をかける。

なんだったら一日にどれぐらいの利益が出ているか聞いてやる!!

「あの、ちょっといいですか?」

「はい、なんですか?」

「ここって海外のブランドなんですか?」

俺がこの質問した瞬間、凜々とお義母さんが勢いよくこっちをみて、二人見合わせ

大きい声で大爆笑しだした。

「え、なんで笑うの?」

「もう、そんな恥ずかしい質問しないで!!」

「ほんま、太郎のボケ最高やわ」

俺は納得がいかない

「店員さん、僕変なこと聞きましたか?」

「いえ……」

「だったら一緒に抗議してもらえませんか」

「もういいから行くよ、本当に恥ずかしいんだから」

本当に謎だ。

ブランドが海外のどこのブランドかを聞くのもダメらしい。実際海外のブランドだったらしいし。

俺はほほを膨らまし不機嫌な態度をとった。



ちょうど19時頃になったので凜々の方から晩御飯を一緒に食べようと言った。
なんか予約していたみたいだ。

かなり高めのレストランのフルコースを。

「太郎の分も出してあげるから感謝してよ!」

相変わらずな高圧的な態度だが、レストランのコース料理が食べられると喜び舞った。

大きいビルを上がった先にあるレストラン。明るい雰囲気があり、けっこうお客さんで賑わっている。ドレスコードとか必要ないらしく、けっこうラフな格好をしている人が多いイメージ。

「お待ちしておりました。お席にご案内いたします。」

燕尾服の店員さんが俺たちを案内し席に座らせる。

「メニューとかないの?」

俺が言うと、凜々が睨む。

「もう電話で頼んでるから必要ないのお酒も沢山飲めるからいつでも言って」

と凜々は言うが、何が出てくるか分からないのはちょっと不安だぞ。

俺の目の前に生ビールが置かれ、お義母さんと凜々はシャンパンが置かれる。

さすがだ、生が飲みたかったのだ。

おさけだー!!

「じゃあ今日はお疲れ様でした!」

3人のグラスが重なり、キラっとした音が響く。

料理はねー美味しかったよ。

少なかったけど。



最初にサラダが出てきて、2回目もサラダが出てきてえ、2連続?って思って
スープが出てきて、メインが出てきた。

俺の好きなローストチキンだった!!
「凜々、俺のためにローストチキンにしてくれたの?」

「お母さんに何食べたいか聞いても、なんでもいいから、太郎が好きそうなもの選んであげてって」

「お義母さん·····あざーっす!!」

お義母さんはシャンパンを口に含み手を振りながら「ええよええよ」と言ってまたシャンパンを飲んだ。

「あのなー、こんなん言うていいんか分からんねんけどさ」

お義母さんが昔のことを振り返っているような表情をする。

「私さ、凜々が今までどんな人と付き合ってたとか、どんな人と同棲してたとか電話とかでめっちゃ聞いててんけどさ、会うの初めてやねん」

俺は凜々の方を見る。

「何年か前の金持ちの坊ちゃんの話とか、高校の時に付き合ってた人の話とかは知ってるけど、絶対に会わせてくれへんかった。それやのに、太郎だけは会わせてくれたし、なんやったら年末家に連れて帰ってこよかなって話もしててんで!」

年末に凜々の実家に行く?初耳だ

「なんかもう、嬉しかったわー」

「お母さん、もうそんなこと言ったら太郎が調子乗る」

「ええがなええがな、太郎可愛いやん!可愛がったらなあかんでー」

お義母さんは大きく笑った。つられて俺たちも笑った。



その後お義母さんを見送って、俺たちも帰宅した。かなり歩き回り、クタクタになってすぐに寝てしまった。

朝起きると凜々はもう仕事をしていた。休みの日なのに御苦労なこって

「昨日どうだった?楽しかった?」と凜々が聞く。

疲れたし大変だったなー

凜々の悪態は愛情の裏返しか

これを俺に伝えたってことは、やっぱり母親として娘のこと心配してるんだろうな。

俺が楽しめたかどうかじゃない。

お義母さんが楽しかったかどうかなのだろう。



「あ、お母さんからラインだ。」

俺の返答を待たずに、凜々は携帯を見て大きく笑った。

「どうした?」

「お母さんからさ『報告します。昨日アリスのお店で買ったお菓子
クソまずかったです!』だって!おかしいよね笑」

凜々は嬉しそうに笑った。それ聞いて俺も笑った。

そして凜々の笑顔見て俺思ったんだ。

「凜々、昨日楽しかったか聞いたよね?」

「うん、どうだったの?」

「むちゃくちゃ楽しかったよ」

俺はニコッと笑って答えた。







コメント

タイトルとURLをコピーしました