金持ち彼女のお母さんに会う貧乏彼氏 前半

日常

「服を買いに行きたい」

凜々の電話内容からこの言葉が聞こえた。

俺は見ていた動画を止めて凜々の話に聞き耳を立てる。

話の内容的にせっかくお金あるから使いたい。再来週の土曜日に服を買いに行こう。

「久しぶりのデートだね」

デート!!!!!?

デデデデデデデデデデデデデデデデデデデデデデデデデデート!?

俺、捨てられる!?

「どうゆう事だよ!!」

「何が?」

「服を買いに行くなら俺でもいいだろ!」

「女性の服を選ぶセンスないでしょ」

「いいや、俺が行く!!」

「別にいいよ」

以外にあっさり了承してくれた。

「その代わりお母さんと久しぶりのデートだから大人しくしててね」

え、お母さん?

「え、デートの相手って凜々のお母さん?」

「そうだよ」



え、あ、男じゃなかったんだ!良かったーーー!!!

ってお義母さん!?

こんな感じで、俺は凜々のお母様と初対面する事になった。

これは女の子あるあるだと思うんだけど

女の子ってお母さんと仲良いよね。

もちろん例外はあると思うけど俺は母親は俺が高校生の時にもう亡くなっているので、母親と買い物に行ったりとかしたことないし、凜々のように電話して笑って心配し合って仲良くしているって言うのがすごく不思議なものを見ている気分になる。

正直仲良く出来る気がしない。

だから、めちゃくちゃ緊張してる。

金持ち家系の母親のイメージって言ったら着物着て、作法に厳しくて、何かあったら扇子で叩かれるイメージがある。

怖いよねー

だから、土曜日の朝はいつもより早く起きて身だしなみをしっかり整えた。髪型、髭もそって、歯も磨いて、スーツを着ようとしたら凜々にしばかれ、そんなこんなで駅に着き凜々のお義母さんを待った。



けっきょくいつも通りのラフな私服で待つことになり緊張している俺とウキウキして楽しそうな凜々。

「お母さん着いたって」

凜々がそう言い俺の緊張はMAXまで上がった。

どこだ!どこから来る!!

サバゲー並に辺りを見回す。

「あ、こっちこっち!!」

凜々の声が飛んでいく方向に目をやる!

そこには!!

普通のおばちゃんがいた。

「あー!!いたいた!!」

こっちに手を振って歩いてくる女性は、その手を俺に向けてきて反射的に俺の手が上にあがり、双方の手が合わさる。

え、ハイタッチ?

「君が太郎君かいなー!話きいてたで!」

え、関西弁?

「朝ごはん食べた?まだ時間あるし行こ!」

関西弁のフレンドリーなおばちゃんは、リアルな猫の顔が全面にプリントされ目の部分に宝石のようなガラスが埋め込まれている服を着て、同じようなデザインのカバンを持ち長いスカート?をひらつかせながらつかつかと歩いていく。

インパクト強!

お義母さんはうどんが食べたいうどんが食べたいと言い、真っ直ぐ駅近くのうどん屋さんに入っていく。その間も凜々とお義母さんは楽しそうに会話していた。

「太郎の調子はどうなん?仕事うまいこといってんの?」

お義母さんがうどんをすすりながら俺に聞く。

「給料上げてもらうのは出来そうにないから、転職も視野に入れて頑張ってるよ」

「おぉ、そうかそうか」

「太郎の給料は低すぎるから、しっかりしろって毎日怒ってる」

「いやー、太郎は会社に舐められてるんやと思うで!見た感じ大人しい感じするし、安い給料で働かせられるカモが居るわ!って思われてんねん!そんな会社すぐやめたれ!」

「頑張るよ」

「まず、何がしたいんか?を考えなアカンわ。何とかかんとかなんとかかんとか」

数分の俺への説教タイムが終わり、本題の凜々の服を買いに行く



行きたいブランドのお店があるって言って1番初めにそこに行った。
いかにも高級そうなお店で、店員もスーツを着て凛々しく立っている。

うわー、高そう

凜々とお義母さんは楽しそうに店内を見て回る

俺は何となく、1枚のTシャツを見つけてから手に取り値段を見てみる。

5000円

5000円か・・・・・・Tシャツにしてはやっぱり高いし、高価なお店だよな・・・・・・

「凜々、この5000円のTシャツなんか欲しいと思う?」

「5000円?そんな安いわけないでしょ」

凜々の一言に俺は?が出てもう一度金額を確認してみる。

イチ、ジュウ、ヒャク、セン、マン。万!!

50000円!!!!!

Tシャツ1枚5万円!!!

「凜々!!この店から出るぞ!!買わされる!!」

「私は買いに来たの」

「こんな5万もするTシャツなんか買わなくていい!!俺が作ったる」

「無理無理」

そういい凜々はお義母さんと店内を見て回る。

信じられない。

こんな布にそこまでの価値があるとは全く信じられない。



「もっといろいろみたい」

「せやな、見るだけはタダやし全部見よ」とか言いながら何も買わずに見るだけの時間がどんどんすぎていき、いつまで経っても決まらない。

俺は初めの数分で飽きた。

だってそうだろ?

見てるの全部レディースなんだから。

俺が「これとか可愛いじゃん」とか言っても、

「それは違う」

「うん、ちゃうな」って2人がかりで否定される。

だから飽きて、簡易的に作られたお店の手作りの皿とか見てた。

それでも決まらず、タクシー乗って別のお店に行って、

パンケーキ食べながら作戦会議が始まる。

議題『どこのお店が1番良かったか』

どこでもいいだろー

凜々の奢りでパンケーキ生クリームとフルーツがたっぷり乗ったパンケーキを食べ、今日着いてきて良かったなーと思いながらまた服探しに出かけた。

3、4店舗見て回ってけっきょく一番最初に見たブランドの別のお店で一番最初に決めていた服を買っていた。



わざわざタクシーまで乗ってここまで来た意味あるのか?

そんなこと考えながら棒になりかけている足を休めるため椅子に座った。

「太郎、ちょっと疲れたんちゃう?」

「いやいや、お義母さんの方も大丈夫?結構歩いたし疲れたと思うけど?」

「大丈夫や大丈夫!まだまだ服選びに付き合えるわ」

俺は勘弁してほしい。

「凜々は?」

「今、お会計してるわ」

お義母さんは俺の隣に座り、少し足をさすっている。

「いやー、凜々は悪態ついたりするけどさ。あればあの子の愛情の裏返しやねん」「あぁ、うん。」

「太郎のこと、貧乏やーとかボケボケやーとかいろんなこと言うけどさ。めっちゃ太郎のこと好きなんやと思うんよ。これからも仲良くしたってな」

いきなりの話で反応に戸惑い、なにか言おうとした時に凜々が戻ってきた。

「なにかはなしてたの?」

「いいや、なんにも。少し雑貨屋さん行きたいから連れてってや!その後晩御飯3人で食べよか」

お義母さんは元気よく腕を振り歩いていく。

続く。







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